2018年08月09日

未来のミライ

もう1回ー!


今日の時をかける問題児はくんちゃんさんとミライちゃんさんです。

「未来のミライ」を映画館で見ました。主人公の少年くんちゃんが未来から来た妹にツンツン突かれて悶絶するだけのアニメでした。

くんちゃんはたくさんのおもちゃを所有されております。自分が子供の頃にプラレールらしき物を持っていたのは一人だけだったのを考えるとくんちゃんの住む世界とはそれだけでもちょっと違う世界だなと感じた。困窮一系の貧民が映画館で支払った1800円分の感想を述べます。

▼YOUは何しに過去へ?
たいした脈絡もなく場当たり的に過去や未来の家族と邂逅していく不思議なお話だ。しかし婚期が遅れる迷信だけで妹がわざわざ未来からくるものだろうか。雛人形をめぐる茶番劇は生後間もない妹の婚期を心配するくんちゃんが見た白昼夢、というわけでもないだろう。くんちゃんの庭先で起こる不思議な現象がどんなメカニズムなのかの説明は最後までなかった。
自分もくんちゃん位の時分にこんな感じの夢、おねしょをする5秒前のテンパった状態で犬が突如喋り出す類の夢を見たような気がする。

▼アンアンウヒハ
くんちゃんの声が明らかに素の女性の声だからまるで幼児プレイの一貫に思えてもやもやした。女性に少年の演技を強要する試みがこの映画にあったのかもしれない。くんちゃんが自転車の補助輪を外して苦闘する場面、このくんちゃんが喘ぐ喘ぐ。あらいいですね。若手女優さんに 延々ひいひいと演技をさせることで観客に大作アニメ映画として格の違いを見せつけたのはさすがだ。

▼くんちゃんさん…
くんちゃんは未来や過去の家族と邂逅しながら家族の絆を回復し、新たな絆までも獲得していく。補助輪無しの自転車を克服する過程で少し男っぽい体験もした。
そして迎えたラストエピソード。少しは成長した彼の姿がみれるのか思いきや、家族とお出かけ直前に父親から渡されたズボンの色が気に入らないとブチギレ。「今日は黄色のズボンが履きたい気分なのに青いズボン履かされたら、こんな負け犬になったような気分でお出かけなんかできねーよ父ちゃん!」とかつてない勢いで憤るくんちゃん。異世界を通じて怒りの一人旅を敢行。そんな無理して怒らなくても…

この後、黒い新幹線が停車する東京駅で心細くなったくんちゃんは迷子の相談窓口を訪れ、そこで両親の名前を尋ねられる。だが、くんちゃんは両親の名前が言えないと判明。くんちゃんさん…w
くんちゃんは幼稚園児だけど大好きな新幹線の名前や車種に詳しい。にもかかわらずこの甘えん坊が両親の名前を言えないのはどう考えてもおかしい。名前を言えないくんちゃんが詰まって「んがががが」になって笑えた。性格に偏りがありすぎるのか、それとも好きな物に夢中で家族を顧みない鉄オタの片鱗だろうか。
いやもしかするとこの時の彼は無意識のまま両親の名前を記憶から消去してしまっていたのかもしれない。彼はずっと孤立したがっていたからだ。

▼孤立の片道切符
細田アニメが好んで取り入れる対立軸。「家族の愛」とその輪からの「孤立」だ。 サマーウォーズの侘助とか、バケモノの子で家族と死別した幼少期の主人公や、同じくバケモノで自らの想いに囚われて裏返り ラスボスになった奴とかは家族や属するコミュニティの輪から逸脱して「孤立」した者の代表といえる。
家族と孤立のせめぎ合いや葛藤を善と悪、光と影の対比のように描く。未来のミライにもこの文法は存在していた。本作がそれ以前の細田作品と違う点は、主人公のくんちゃんが孤立側の人間であった事実だ。 二元論で言うなれば本作はダークサイド側視点の物語なのだ。

妹への嫉妬をきっかけにして芽生えた孤立の種を胸に潜めながら不思議な体験を経た末に最後はそれまで疎んじてきた妹のミライを家族の一員として受け容れる。 家族も人間関係だから 4歳の幼児といえどもただ両親から愛されるだけでなく、自らも他者(妹や彼を差し置いて妹に愛を注ぐ両親)を受け容れないと孤立は解消できない。妹を受け容れる事で自らも孤立の象徴とも言うべき黒い新幹線から家族の元へ引き戻されるくんちゃん。 というわけで本作は4歳児の小さな孤立が解消される物語なのだと映画見た2日後くらいに考えた。あー泣きそう。

▼未来のキャプ翼
キャプ翼みたいに脚の長い成長後のくんちゃんはどう見てもこいつがラスボスだろ。家族がつながっているという本作のメッセージはちょっと弱い。もし子供に向けたメッセージがあるのなら今どきEテレでも取り上げないような題材ではなく素直にシ○カリオンを映画化したほうがいい。

このようにして犬も食わないホームビデオをアニメ化して上映しちゃうという映画館に仕掛けられた罠みたいな試みに一部のファンは冷え込んでしまったかもしれないが猛暑で外が暑いから丁度いいだろう。細田監督におかれましては、家族教信仰も程々にしてここはひとつ敢えて世のお父さん方のように嫁や家族から迫害されることで孤立の鬱憤を溜め込み、次回作( テトリス-実写版- )の制作エネルギーとされることをおすすめします。




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